先日、懐かしい名前の方が、中心で動いておられるシンポジウムに参加しました。住宅を造り始めた頃、「シックハウス症候群」という化学物質の反応を起すことに興味をもたれた歯医者さんが居られて、共感したことを覚えています。何度かお話をさせて頂きましたが、今でも「住宅」と「健康」の関係について動かれていることに大変励まされました。初心忘れるべからず・・・ですね。
今回は、「健康」をもたらすための住まいをイギリスの国家を挙げての施策にとても興味がありました。
日本という国にない「施策」に先進国性がすごく感じられ、視点に違うことがすばらしいと感じたので、紹介を致します。
イギリスでは地域を決めて「住宅」と「健康」について調査を行っています。
調査の内容は、「生理的」「心的」「感染症」「事故」などの29項目についてです。
気候、その他の事情により、地域ごとで、違うようですが・・・
その結果を踏まえ、其の住宅の方に「改善勧告」を行います。
「改善勧告」の内容は、「工事の費用の提示」・「健康を害した場合(怪我も含む)の費用」・「その他社会的にかかる費用」の3点を提示し、工事の費用が安く済むことを示します。
費用の捻出が出来ない場合は、国が建物を担保に貸すというようなことをしているそうです。
考えてみれば、健康を損なうということは、国家予算の社会保障に大きく関わってくることだと思います。
そこを未然に防いでいこうとする施策には、大変感心しました。
日本の住宅事情は、また違っているでしょうがこのように「建物」と「健康」が大きく関わっていることを高知県山口県では、すでに調査が進んでいるようです。京都府の学研都市でも始まろうとしています。
「健康」の「健」は「人」に「建てる」と書くのだということ・・・ずっと私たちがお伝えしてきたこと。
やはり大切なことは、「健康に幸せに暮らす」という住まい造りです。
最後のコメントで、近畿大学の教授が「日本の住宅は、朝起きて寒いことがまだまだ先進国ではない」というようなことをおっしゃったのが印象的でした。カナダに言ったときの娘のアパートの暖かさが忘れられませんものね。
私としては、「建物」と「教育」についても何らかの関係がある事を証明できないかと思いますが・・・