頂いた冊子に載っていた「江戸しぐさ」を読んで感心しましたのでご紹介します。
一つ目は、「籠止めしぐさ」・・・籠を雇って移動する時に、目的地の前で止めるのではなく、少し手前で止めて歩くほうがスマートです。タクシーでも一緒なんですね!
二つ目は、「傘傾げ(かさかしげ)」・・狭い路地などですれ違う時に、お互いに傘がぶつからないように外側に向けながらすれ違うさまです。また、すれ違う時には、相手に背中を向けるのではなく正面で通す「肩引き」がお互いへの気配りを示すしぐさです。
三つ目は、「時泥棒」・・相手の時間を奪う行為で、江戸では「時泥棒は十両の罪」と定められていたそうです。居ませんかあなたの廻りにこんな人が!
四つ目は、「うかつ誤り」・・足を踏まれた時などに踏んだほうが謝るのは勿論ですが、踏まれた人も「こちらこそ、すみません。」と返すのだそうです。なんとも奥ゆかしいですね。
最後に「三脱のおしえ」・・先入観を持たないため、初対面の人に「年齢」「職業(肩書き)」「地位」を聞いてはならないという戒めです。我々はツイツイ名刺交換をしてしまうのですが、あえてしないほうが良い場合もい多いのですね。
ビックリしたのは、この中で四つ目と五つ目は国際儀礼でも同様のルールがあるそうです。江戸のしぐさが先か、国際ルールが先かは存じませんが、日本人の埃として「江戸しぐさ」が先であって欲しいと思いました。
でも江戸よりも京都の方が歴史が古いと思うので、「京しぐさ」があっても不思議ではないと思います。言い方は違うかもしれませんが、どなたかご存知の方がありましたら教えてください。
感心されるのはけっこうですし、少なくとも現代社会においては適用すべきマナーであるとは思います。
しかし、それらが本当に江戸時代にあったのか? と言われると疑問です。
例えば”江戸では「時泥棒は十両の罪」と定められていた” 文献が不明です。そんな定めがあれば、当の江戸時代に生きた人々が書き残した日記や文章に残っててもよさそうなものですが、「江戸しぐさ」以外にこの文献を見かけません。
歴史の捏造はよろしくないかと。